ログハウスに特有の現象にセトリングというものがあります。
ログハウスは丸太を横にして積んでいき、壁を作っています。
なので、経年で丸太が数%収縮すると、壁の高さが数%小さくなります。
そこで、窓やドアなどの建具の設置や、仕切り壁には対策が施されています。
それが、セトリングスペースです。
下の写真は、築4年半の我が家のとある小窓のトリムを外して見たものです。

この窓の枠は高さ90cmほどあります。
なので、セトリング量を3%とすると窓の上枠の上に2.7cm以上のスペースが必要です。
この小窓にはまだスペースに余裕があります。
このように建築当初(またはプレカット時)にスペースが十分確保されていればいいのですがどうやら、1階のテラスドアや室内ドア、間仕切り壁にこのセトリングスペースが十分でないところがあり、さらに2階ロフト部分の立ち上がりログ壁3段分のセトリングスペースが当初からなかった(それが設計値らしい)ために、これまでに色々不具合が出てきていました。
そこで、施工していただいた工務店さんに抜本対策をお願いし、
1週間かけてセトリングスペース追加工事をしてもらいました。

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*****余談ですが...*****
マシンカットログのセトリング量は多くて3%くらい、というのが設計値のようですが、それは本国での話らしいです。四季があり寒暖の差が大きい日本で同じ設計値でいいのかなぁ?我が家は小窓のログ開口は十分みたいですが、ドアなど大きな開口部はほとんどセトリングスペースが足りていなかったことが今回の工事でわかってしまいました。(;_;) 設計値を信じて施工する工務店さんも困惑していました。
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まずは、1階の室内ドア2箇所からです。
トリムボードとコーナーピースを外して、内部を確認すると、
やはりセトリングスペースはすっかりなくなっていました。

そこで、ログビルダーIBさんと助っ人OGさんが、
ガシガシとドリルとノミとノコギリを駆使して、ログを削り、
セトリングスペースを開けていきました。

格闘すること2時間あまり、スペースが大体開いたところです。

他にも、玄関とパントリーを仕切る間仕切り壁も、
セトリングスペースが無くなっていました。

こちらの方は、壁の中の間柱を切断して短くすることで、スペースを作り出します。

その他、玄関の物入れも修正してもらい、都合4箇所の工事が1日目で終了しました。
玄関の室内ドアも

6畳間への室内ドアも元の姿に戻りました。

私は、「もしかしたら、自分で出来るかな?」と思っていたのですが、
もし出来たとしても、とてもこんなに速くは出来ない!
と大工さん達の力と手際のよさと臨機応変な作業に感心させられました。